治療困難な心房細動・心房粗動に対するカテーテルアブレーション
治療困難な心房細動・心房粗動とは?
心房細動に対するカテーテルアブレーションは、お薬だけの治療に比べて、正常な脈を保ちやすいことが多くの臨床試験で示されています。しかし、アブレーションを行っても、心房細動や心房粗動が再発することがあります。
その理由の一つは、心臓の近くに食道や横隔神経などの大切な組織があるためです。こうした場所では、安全性に配慮して、十分に焼灼しにくいことがあります。 また、治療した部分の周囲を電気信号が回り込むことで、新たに心房粗動が起こることもあります。
その理由の一つは、心臓の近くに食道や横隔神経などの大切な組織があるためです。こうした場所では、安全性に配慮して、十分に焼灼しにくいことがあります
また、治療した部分の周囲を電気信号が回り込むことで、新たに心房粗動が起こることもあります。
これまでのPulse Field Ablation(パルスフィールドアブレーション:PFアブレーション)は、心筋に選択的に作用しやすく、周囲の組織への影響を抑えながら治療できる方法として用いられてきました。
とくに、初回の心房細動アブレーションでは、肺静脈の周囲を効率よく治療でき、治療時間の短縮や患者さんの負担軽減が期待できる有用な方法です。
一方で、初回治療のあとに心房細動や心房粗動が再発した場合には、肺静脈以外の場所から異常な電気信号が出ていないかを調べたり、複雑に電気が回っている経路を特定したりする必要があります。
また、PFAでは、冠動脈に近い場所では血管のけいれんを起こす可能性があることが知られており、僧帽弁や三尖弁の近くなど、冠動脈に近い部位の治療には注意が必要です。
このような場合には、従来は高周波アブレーション(RFアブレーション)が用いられてきました。 ただし、場所によっては十分な焼灼が難しかったり、治療に時間がかかったりすることが課題でした。
第二世代のPulse Field Ablationとは?
2026年3月から、第二世代のPulse Field Ablationシステムとして、Affera Mapping SystemとSphere-9カテーテルが臨床で使用できるようになりました。
このシステムでは、心臓の形や電気の流れを詳しく調べながら治療を進めることができます。
Affera Mapping Systemは、心臓内の電気信号や形を立体的に表示する3Dマッピング機能を備えており、不整脈の原因となっている場所や、心房粗動の複雑な回路を詳しく調べることができます。
そのため、再発した心房細動や、複雑な心房粗動に対して、より適した治療方法を選びやすくなりました。
さらにこのシステムでは、治療する場所に応じて方法を使い分けることができます。たとえば、左房後壁や横隔神経に近い部位ではPFアブレーションを用い、冠動脈に近い僧帽弁や三尖弁の周囲ではRFアブレーションを用いることが可能です。
このように、それぞれの治療法の特徴を生かしながら、患者さんの状態に合わせた治療を行うことができます。
当センターでも、2026年3月からAffera Mapping Systemを導入し、心房細動が再発した患者さんや、複雑な心房粗動のある患者さんの治療に使用しています。
図1 Affera Mapping Systemの概要

動画1 Affera Mapping Systemを用いた心房細動アブレーションの実際
日本メドトロニック株式会社提供
検査や治療の詳しい内容、期待される効果や合併症については、担当医よりご説明いたします。ご不明な点がありましたら、遠慮なくご相談ください。
文責 川崎
