心臓内科

心臓血管センター外観

心臓の病気と心臓内科の特徴

「心臓内科」といってもその診療範囲は多岐に渡ります。人口の約3分の1が罹患していると言われている高血圧症から心臓の血管の病気である冠動脈疾患(狭心症・心筋梗塞)、不整脈(徐脈性不整脈・頻脈性不整脈)、心臓弁膜症(大動脈弁狭窄症・僧房弁閉鎖不全症など)、心筋症(拡張型心筋症・肥大型心筋症など)、先天性心疾患(心房中隔欠損症・心室中隔欠損症など)、下肢の血管の狭窄・閉塞で生じる下肢閉塞性動脈硬化症、エコノミー症候群で知られる肺動脈血栓塞栓症など様々な疾患があります。

それぞれの疾患の程度により心臓の機能が低下し、心不全に至ることも少なくありません。また、それぞれの病気は糖尿病、腎臓病、呼吸器疾患などの他科疾患が発症に大きく影響している場合があることや、消化器疾患、脳血管疾患なども併発していることもあり、そのような患者さんに対しては総合病院の利点を生かし他科と協力して診療にあたっております。

当院では、循環器内科専門医が8名在籍しております。また、

  • 日本内科学会認定医制度教育病院
  • 日本循環器学会認定研修施設
  • 日本心血管インターベンション治療学会研修施設

などの専門病院としての施設認定も受けております。

冠動脈疾患とは

冠動脈疾患は心臓の血管が狭窄する狭心症と閉塞する心筋梗塞に分けられます。急性心筋梗塞は死亡率の高い疾患ですのでその前段階である狭心症で診断・治療することが重要です。そのためには禁煙や食生活の改善、定期健康診断の受診と異常があれば放置せず医療機関をすみやかに受診することが必要です。当院では負荷心電図、冠動脈CT、心筋シンチなどの非侵襲的検査から冠動脈造影検査(CAG)・経皮的冠動脈形成術(PCI)まで個々の患者さんの病態により対応しております。

冠動脈CT

冠動脈CT検査

冠動脈CT検査
左冠動脈に高度狭窄が疑われた

冠動脈造影検査(CAG)

冠動脈造影検査(CAG)
同部位に一致して高度狭窄を認めた

PCI

冠動脈造影検査(CAG)

冠動脈造影検査(CAG)
右冠動脈に高度狭窄を認めた

経皮的冠動脈ステント留置術(PCI)

経皮的冠動脈ステント留置術(PCI)
薬剤溶出性ステントを留置し
狭窄は解除された。

冠動脈疾患に対する当センターの治療体制

冠動脈に狭窄を認めた場合でも、心筋シンチや冠血流予備量比(FFR)などの結果をふまえ、必要な病変のみ治療いたします。また、急性心筋梗塞などの急性冠症候群(ACS)に対しても24時間対応しております。緊急PCIを行った場合、集中治療室で管理を行い退院までリハビリテーション、栄養指導、服薬指導などコメディカルとも協力し治療にあたります。カテーテル治療に関しては日本心血管インターベンション治療学会の専門医3名、認定医5名が在籍しております。

不整脈の病気とは

不整脈には脈が遅くなる徐脈性不整脈と速くなる頻脈性不整脈があります(詳細は不整脈科参照)。

頻脈性不整脈と治療体制

頻脈性不整脈に対しては、主にお薬の治療とカテーテル心筋焼灼術(カテーテルアブレーション)が行われます。

徐脈性不整脈と治療体制

徐脈性不整脈で、めまいや失神などの症状がある場合や症状がなくても将来的に失神や突然死などの危険性が高いと判断された場合は、ペースメーカ治療を行います。

当科では、不整脈心電学会が認定する不整脈専門医4名、植え込み型除細動器(ICD)や両室ペーシング(CRT)の植込み資格を有する医師が4名在籍しております。

心臓弁膜症とは

心臓には大動脈弁、僧帽弁、肺動脈弁、三尖弁と4つの弁があり、その機能障害が生じた場合を心臓弁膜症と言います。程度が軽度の場合は無症状ですが進行すると息切れやむくみなどを生じます。比較的症状が軽微であっても急激に悪くなることもあり、専門的な検査や治療が必要です。当センターでは、内服治療、心臓血管外科による治療やカテーテルによる大動脈弁狭窄症治療(TAVI)や僧帽弁閉鎖不全症治療(MitraClip)も行っております。

TAVI弁(バルーン拡張型人工弁)

TAVI弁(バルーン拡張型人工弁)

TAVI弁(自己拡張型人工弁)

TAVI弁(自己拡張型人工弁)

マイトラクリップ

マイトラクリップ

心筋症とは

心筋症は心臓の筋肉自体に異常を生じる疾患です。診断には心エコー図検査、心臓MRI、心筋シンチなどの非侵襲的検査やカテーテル検査を行うこともあります。治療は内服治療やペースメーカによる心筋再同期療法(CRT)などがあり、急性増悪時には補助循環(IABP/PCPS)による治療を行うこともあります。いずれも当センターで施行可能です。

下肢血管の病気について

下肢閉塞性動脈硬化症は動脈硬化の進展により生じます。下肢の冷感、しびれ、歩行時の痛みなどの症状が出ることがあり、症状が出るころにはかなり動脈硬化が進行している場合もあります。基本は内服治療ですが、病態により末梢血管カテーテル治療(EVT)や血管外科によるバイパス治療を行うことがあります。

当科の治療方針について

当科は、患者さんの負担が少ないエコー、CT、MRI、シンチなどの画像診断を駆使し、疾患を迅速かつ正確に診断できる体制を整えています。治療に関しては内科的治療を基本とし、より積極的な治療が必要な場合には、カテーテル治療、外科的手術を選択し、安全で質の高い診断・診療を展開したいと考えております

スタッフ紹介

名誉病院長

福並 正剛
(フクナミ マサタケ)

副院長
心臓血管センター長

山田 貴久
(ヤマダ タカヒサ)

主任部長

渡部 徹也
(ワタナベ テツヤ)

部長
医療情報部長

森田 孝
(モリタ タカシ)

不整脈科部長
(CCU室長)

川﨑 真佐登
(カワサキ マサト)

副部長

菊池 篤志
(キクチ アツシ)

医長

近藤 匠巳
(コンドウ タクミ)

医長

河合 努
(カワイ ツトム)

医長

西本 裕二
(ニシモト ユウジ)

診療主任

瀨尾 昌裕
(セオ マサヒロ)

診療主任

中村 淳
(ナカムラ ジュン)

医員

藤田 岳史
(フジタ タケシ)

医員

張 英哲
(チャン ヨンチョル)

医員

谷一 正尚
(タニイチ マサナオ)

医員

尾下 卓也
(オシタ タクヤ)

医員

国分 祐樹
(コクブ ユウキ)

医員

福田 優人
(フクダ ユウト)

医員

清水 健太郎
(シミズ ケンタロウ)

医員

衣川 信
(キヌガワ マコト)

医員

阪井 克祥
(サカイ カツヨシ)