薬局からのお知らせ

全く違う名前の薬でも実は同じ成分の薬を重複して飲んでしまっていた、などの経験はないでしょうか?今飲まれている薬の事で何か不明な点がありましたら、かかりつけの薬局薬剤師・病院薬剤師に是非聞いてみて下さい。

心不全に使われる主な薬

心不全の薬物療法は心不全治療の基本となります。

使われる薬は大きく2つに分類されます。

 

  • 1. 心臓を保護し心不全が進行するのを防ぐための薬
  • 2. 心不全による浮腫みや息苦しさを改善するための薬です。 

 

1.に分類される薬はβ遮断薬と呼ばれる薬やACE阻害薬・ARB薬などが該当し、2.に分類される薬は主に利尿薬が該当します。

それぞれの薬の効果をみていきましょう。

β(ベータ)遮断薬

交感神経の緊張を和らげ、心臓の負担を軽減するための薬です。少ない量から始めますが、血圧・脈拍・症状を見ながら徐々に増やしていきます。

ACE阻害薬 ARB薬 MRA薬

心不全の状態ではレニン・アンジオテンシン・アルドステロンといったホルモンが過剰に分泌され、それが心臓に負担をかけると言われています。これらのホルモンを抑え心臓の負担を軽減し、心臓を保護するための薬です。

利尿薬

心不全の状態では体の中に水が溜まっていき、呼吸が苦しくなったり、体が浮腫んだりします。利尿薬は体に溜まった余計な水分や塩分を尿として排出し心臓の負担や浮腫みをとる薬です。

心不全と診断された患者さんは上記のように沢山の薬が処方され、毎日服用するのは大変と思われる方も多い事でしょう。ですが、これらの薬は心不全を改善し、進行を抑える事が判明している薬です。医師の許可なく無断で服用を中止したり、指示通り服用しなかったりすると心臓は確実に弱って心不全が増悪してしまいます。勿論、副作用が出たり、体に合わない薬があれば飲み続ける事はできませんが、その時は自分で判断せず必ず医師に申し出るようにしましょう。ご自身で服用している薬をしっかり理解し、正しく服用することが重要です。何故処方されているのか?本当に自己調整しながら服用しても良い薬なのか? 是非今一度、本人様も、ご家族も、今までのお薬の管理について見直してみて下さい。

参考:日本心不全学会 心不全手帳