弁膜症外来
外来日:毎週水曜日午前9時〜 予約制
担当医:心臓内科 菊池篤志 医師
(病状に応じて、同日中に心臓血管外科専門医と相談しています)
対象となる患者さん
- 心臓の弁が悪いと言われたが重症度を知りたい方
- 心臓の雑音があると言われた方
- 心臓の手術の必要性や内容について不安がある方
- カテーテル治療や小切開手術など負担の少ない手術について聞きたい方
- セカンドオピニオンを求める方
以上のような患者さんが対象となります。かかりつけの医療機関から紹介状(診療情報提供書)を頂いてご予約下さい。
心臓弁膜症
弁膜症とは?
心臓には4つの弁(大動脈弁、僧帽弁、三尖弁、肺動脈弁)が存在し、そのいずれか、もしくは複数の弁に何らかの障害が生じ本来の働きができなくなった状態を「心臓弁膜症」といいます。
原因は多岐にわたりますが、高齢化社会となり加齢に伴う心臓弁膜症の患者さんが非常に増加しています。特に、大動脈弁と僧帽弁に多く起こる疾患であり、「大動脈弁狭窄症」と「僧帽弁閉鎖不全症」が増加しています。
弁膜症と心不全
心臓弁膜症の症状は、胸の違和感、動悸、息切れ、下肢のむくみなどで出現します。これらはどれも患者さんが「年のせいだから」と捉えがちな症状です。
弁膜症は弁の病気ですが、心臓全体に負荷がかかるため、「心不全」という病態に容易に移行します。心不全とは、心臓が悪いために息切れやむくみが起こり、だんだん進行して命を縮める病気です。
弁膜症が原因、または関与している心不全の場合は、弁膜症の治療により心不全の病状が進行するのを抑制することが可能です。
当院の取り組み
治療の概要
当心臓血管センターでは心臓弁膜症に対する治療を、心臓内科・心臓血管外科を中心としたハートチームで総合的に取り組んでいます。
弁膜症に対する治療は、
- 保存的加療
- 外科的治療
- カテーテル治療
の選択肢があり、患者さんの病状により治療方針は異なります。当センターは2014年から経カテーテル的大動脈弁植込術(TAVI)を始めたことによりハートチームの成熟度があがり、どの治療方法が患者さんにベストであるかを常にチームで検討するようにしています。
受診後の流れ
1. 弁膜症外来
外来にてご病状や治療に必要な情報を問診させて頂きます。受診日に血液検査、レントゲン、超音波検査などの検査をすることもあります。
2. 術前検査
治療が必要かどうか、また治療するならばその術式やリスクなどを検討するため、術前検査が必要です。術前検査は、その内容にもよりますが多くの場合は3-5日間ほどの入院にて行っています。
ご紹介頂いた医療機関ですでに必要な検査が終わっている場合は、術前検査入院を行わないこともあります。
3. ハートチームカンファレンス
検査結果をもとに、心臓内科(カテーテル治療・心不全・超音波などの専門医)・心臓血管外科専門医・麻酔科医・看護師・臨床工学技士などで構成されたハートチームで、患者さんに最適な治療を検討します。
4. 治療
ご入院頂き、それぞれの治療を行います
弁膜症に対するカテーテル治療
当心臓血管センターで可能なカテーテル治療は、
- 重症大動脈弁狭窄症に対する、経カテーテル的大動脈弁植込術(TAVI)
- 重症僧帽弁閉鎖不全症に対する、マイトラクリップ(MitraClip®経皮的僧帽弁接合不全修復システム)
があります。
- 心臓の機能が悪い、併存症が多い、など手術リスクが高い方
- 体力の低下したご高齢の方
が治療の対象となります。
カテーテル治療は手術時間・入院期間が短く、身体への負担が少ないことが患者さんのメリットにつながります。