植え込み型ループレコーダー

失神とは

失神とは、脳の一時的な血流低下による意識消失発作のことです。失神の原因は多くありますが、心血管系因子による失神は生命予後が悪く、突然死につながる恐れがあるため、原因を突き止め適切な治療を行う必要があります。

失神を疑った場合に行う検査とその限界

心臓由来の失神が疑われた場合、第一に不整脈による失神を疑いますが通常の心電図で異常がみつかることは稀で、24時間心電図記録(ホルター心電図検査)を繰り返し行っても、症状もなく異常をとらえられないことが圧倒的に多いというのが実情です。

ホルター心電図では検出できなかった不整脈を検出できる植え込み型ループ心電計

植え込み型ループ心電計は、長期間(最長3年間)にわたり心臓の拍動を常に監視し、不整脈や失神などの症状が起きたときの心電図を記録する装置です(写真)。設定された心拍より高くなった場合、低くなった場合、リズムに乱れが生じた場合に自動的に心電図が記録されます。また、専用の携帯型リモコン装置を使って、任意のタイミングで心電図を記録することもできます。 植え込み型ループ心電計は原因不明の失神の検査だけではなく、2016年からは潜因性脳梗塞と診断された患者における心房細動の検出として植え込み適応も認められています。 本体は非常に小型であるので、1cm程度の皮膚切開で植え込むことが出来、15分程度で終わります。診断ができ、必要なくなれば体外に取り出すことが可能です。

文責 渡部