新しい心房細動のカテーテルアブレーション:パルスフィールドアブレーション

パルスフィールドアブレーションとは?

従来のカテーテルアブレーション(カテーテルアブレーション心房細動のカテーテルアブレーション)は、高周波や冷媒を用いて、“熱”を介して心筋を焼灼する方法でした。熱を限りなく心筋にだけ与えるような工夫をしておりましたが、限界があり、少なからず心筋周囲組織(食道や横隔神経)に障害を与えることがありました。パルスフィールドアブレーションは、短時間の周期(パルス)で高電場(パルスフィールド)を発生させることで細胞膜に小さな穴をあけることにより細胞死を誘導する方法で、熱は発生しません。組織特異的な電場の閾値があるため、心臓周囲組織に影響を与えることなく、心筋特異的に焼灼をすることが可能になりました。

従来治療と比較し、パルスフィールドアブレーションは、有効性は同等であるものの、安全性と手技時間の短縮が期待されています。

図1 パルスフィールドアブレーション

動画1. パルスフィールドアブレーション(PulseSelect)の実際

リング状カテーテルであるPulseSelectを左上肺静脈入口部に留置し、90度ずつ回転させながら4回の通電を行っている。その後手前に引いて前庭部で同様に90度ずつ回転させながら4回の通電を行っている。

文責 川崎