失神
失神とは
失神とは、急性および可逆性の全般的な脳血流低下に起因する一過性意識消失のことであり、一過性意識消失は失神と非失神に分類されます。
一過性意識消失の分類
- ➀失神:神経調節性失神、起立性低血圧、心原生失神
- ➁非失神:てんかん、代謝性疾患、過換気症候群、心因性など
一過性意識消失があった場合には、その時の状況を詳しく評価し、非失神と判断された場合には、専門科(神経内科や内分泌内科など)で検査をします。ここでは、一過性意識消失のなかでも失神について説明いたします。
どのようなものが失神かピンとこない方も多いと思います。「百聞は一見に如かず」ですので、失神発作がどのようなものかYouTubeに公開された動画をご覧ください。
失神の原因疾患
失神の原因疾患としては、神経調節性失神、起立性低血圧、心原生失神があります。
失神の原因検索
失神のなかでも、心原生失神は、突然死の原因になることがあり、他の疾患と鑑別することが重要です。詳しい問診や病歴を行い、心原生失神が疑われる場合には、24時間ホルター心電図や電気生理学的検査を行います。心筋梗塞や心機能障害がある場合には、原因検索の早期から植え込み型ループレコーダーによる確実な原因究明を行うことが推奨されています。
失神の治療
神経調節性失神では、誘因を避けたり、訓練により失神を予防します。起立性低血圧では原因薬剤の除去や原疾患の治療を行います。心原性失神の場合、徐脈性不整脈であれば、ペースメーカの植え込みを、頻脈性不整脈の場合には植え込み型除細動器による治療を考慮します。前駆症状がある場合には、前駆症状が出現した際にケガをしない態勢(しゃがみこむなど)をとることが大切です。原因が除去できない場合あるいは、再発の危険性が高い場合には自動車運転が法律で禁止されています。
文責 川崎